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COLUMN

コラム

2026.02.11 野菜
“旬”の裏側:ハウス・貯蔵・輸送で季節感が作られる

「旬の野菜はおいしい」「旬のものを食べたい」——これは多くの方が感じていることです。一方で、スーパーに並ぶ野菜の“旬”は、昔のように「その季節にだけ採れる」だけでは語れません。今の野菜の季節感は、ハウス栽培貯蔵輸送といった仕組みで“作られている”側面があります。

この記事では、旬が“嘘”だという話ではなく、現代の流通で旬がどう成立しているのかを分解し、買い手・売り手の双方に役立つ視点として整理します。

旬とは本来「その土地で自然に出回るピーク」

本来の旬は、露地栽培の出荷が増え、品質も価格も安定しやすい時期を指します。日照や気温が合い、野菜が無理なく育つため、味が乗りやすい。その意味で、旬は今も大切な考え方です。

ただし現代は、供給を切らさないために、旬の周辺を技術で広げています。ここからが「旬の裏側」です。

旬を作る要素①:ハウス栽培(季節の前後を伸ばす)

ハウス栽培は、簡単に言うと「温度・湿度・水分・日照条件を調整し、出荷時期をコントロールする」仕組みです。露地だけだと限られる時期を、前倒し・後ろ倒しにできます。

ハウスで起きる“旬の伸び方”

  • 早出し:本来の旬より少し早く出回る(需要が高い時期を狙える)
  • 遅出し:旬の終わりを延長する(切れ目を埋める)
  • 産地リレー:地域を変えて旬をつなぐ(南→北など)

ハウス=味が落ちる、という単純な話ではありません。むしろ、環境を安定させて品質を揃えやすい面があります。一方で、露地のような寒暖差が少ないなど、品目によっては“旬らしさ(香り・甘み)”の出方が変わることもあります。

旬を作る要素②:貯蔵(ピークを“時間で伸ばす”)

貯蔵は、旬のピークに収穫したものを、温度・湿度などを管理して保管し、出荷時期を延ばす方法です。たとえば、じゃがいも、たまねぎ、りんごなどは貯蔵の影響が大きい品目です。

貯蔵が作る“旬の見え方”

  • 供給を平準化:一気に出て価格が崩れるのを抑える
  • 端境期を埋める:次の産地・次作までつなぐ
  • 品質の変化:貯蔵中に糖化が進むなど、味の印象が変わることもある

貯蔵は「旬を延ばす」一方で、長期化すると乾燥、芽の動き、食感の変化などが起きる場合があります。売り場での“状態差”が出やすいのも、貯蔵が絡む品目の特徴です。

旬を作る要素③:輸送(旬を“場所で広げる”)

輸送の発達で、旬は「その土地」から「全国」へ広がりました。さらに、温度帯管理(コールドチェーン)が整うことで、遠距離でも鮮度を保ったまま運べるようになっています。

輸送が作る“旬の体験”

  • 全国同時に旬っぽくなる:産地から広域に届く
  • 地域差が薄まる:地元でしか食べられない期間が短くなる
  • 鮮度が価値になる:「収穫からの時間」が差別化要素になる

一方で、輸送が長いほど、温度ズレ・振動・結露などの影響を受けやすくなります。旬の時期でも「状態が悪い」と感じるときは、ここが原因になっている場合もあります。

結局、“旬”は2種類ある

ここまでをまとめると、現代の旬は次の2つとして捉えると分かりやすいです。

  • 自然の旬(露地のピーク):その土地で無理なく育つ時期。味・価格がまとまりやすい。
  • 流通の旬(供給のピーク):ハウス・貯蔵・輸送で「買える期間」を伸ばした旬。

どちらが正しいという話ではなく、目的に応じて楽しみ方が変わります。

買い手側のコツ:旬を“自分に合う基準”で選ぶ

旬を感じたいときは、「旬だから」だけでなく、次の見方を足すと失敗が減ります。

  • 露地らしさを狙う:地元産・露地表示・最盛期(大量に並ぶ時期)を選ぶ
  • 安定を狙う:ハウスや産地リレーで品質が揃いやすい時期を選ぶ
  • 状態を優先:張り、みずみずしさ、傷、乾き、香りで最終判断する
  • 保存前提なら:貯蔵品目は状態差が出るので、皮の乾きや芽の動きをチェックする

売り手側のコツ:旬を“誤解なく”伝える

売り場やECでは、「旬」の言葉は強い反面、期待値が上がりやすいです。誤解を減らすには、“何の旬か”を補足するのが効果的です。

  • 例:「露地の最盛期」「今季の走り」「貯蔵もの」「産地切替期」など
  • ECなら:収穫後日数、保存方法、食べ頃の目安も添える

旬を正確に言い分けるだけで、クレームや返品が減ることがあります。

まとめ:旬は“自然”と“技術”の合わせ技でできている

現代の旬は、ハウスで季節を前後に伸ばし、貯蔵で時間を伸ばし、輸送で場所を広げることで成り立っています。旬は嘘ではなく、供給と品質を成立させるための仕組みでもあります。

旬を楽しむなら、「露地のピーク」を狙うのも良いですし、日常では「流通の旬」で安定した品質を選ぶのも合理的です。どちらも正解なので、用途に合わせて旬を使い分けると、買い物がもっと楽になります。

2026.02.06 流通
品種が変わると流通が変わる:日持ち・硬さ・サイズの設計思想

野菜の「品種違い」は、味の違いだけではありません。実務ではむしろ、流通が変わるほうがインパクトが大きいです。同じトマト、同じレタスでも、品種が変わるだけで日持ち、硬さ、サイズが変わり、梱包・輸送・店頭管理・クレーム率まで動きます。

この記事では、品種が流通に与える影響を「日持ち」「硬さ」「サイズ」の3軸で分解し、流通側(卸・小売・EC)が品種をどう見ているのか、設計思想として整理します。

前提:品種は“味”と同時に“物流スペック”でもある

品種選びは、生産者にとっては収量や作りやすさの問題になりがちですが、流通側は別の目線も持っています。それが、物流スペックです。

  • 日持ち:何日持つか(廃棄率と直結)
  • 硬さ:輸送中に潰れないか(クレーム率と直結)
  • サイズ:規格に乗るか(作業効率と直結)

つまり品種は、「美味しさの設計」と同時に「事故を減らす設計」でもあります。

日持ちが変わると、発注と在庫が変わる

日持ちが長い品種は、流通にとって“守り”になります。逆に日持ちが短い品種は、計画とスピードが必須になります。

日持ちが長い品種が向く場面

  • 遠距離流通:輸送時間が長い(翌々日以降の着荷)
  • 店舗数が多い:配分・店間移動が発生しやすい
  • 週末需要:平日に仕込んで週末に売る
  • EC:不在・再配達などのリスクを吸収したい

日持ちが短い品種が向く場面

  • 地産地消:短距離で回せる(鮮度で勝負できる)
  • 直売・飲食:回転が早く、使い切れる
  • “旬”の打ち出し:期間限定で価値を出せる

日持ちが短い品種は「鮮度で勝てる」一方で、発注を外すとロスが大きくなります。流通としては、日持ち=在庫の許容範囲として見ています。

硬さが変わると、梱包とクレームが変わる

硬さ(物理的な強さ)は、輸送事故の確率を左右します。特にECや混載便では、硬さの差がそのままクレーム率に繋がりやすいです。

硬い品種が持つメリット

  • 潰れにくい:当たり傷が減り、返品・値引きが減る
  • 作業性が良い:詰め替え・陳列時の破損が減る
  • 遠距離に向く:輸送段数が増えても耐える

硬さの注意点

  • 硬い=美味しい、ではない(食感の好みが分かれる)
  • 追熟を前提とする品目は、硬さと食べ頃の設計が必要
  • 硬さがあっても、温度管理が崩れると一気に劣化する

流通側が硬さを重視するのは、味より先に「事故が起きるかどうか」が利益に直撃するからです。硬い品種は、“物流の保険”になります。

サイズが変わると、規格・作業・売り方が変わる

サイズは、最も分かりやすく流通に効きます。サイズが揃うほど、作業は速く、ロスは減ります。一方で、サイズがバラつくと、現場の作業負荷とクレームの種が増えます。

サイズが揃うと起きること

  • 選別が楽:規格箱に乗りやすい
  • 陳列が速い:売場が整う
  • 価格が作りやすい:売価設計が安定する
  • 加工がしやすい:カット・調理の歩留まりが安定する

サイズが揃わないと起きること

  • 作業が増える:袋詰め・ラベルが手間になる
  • 欠品と余剰が同時に起きる:欲しいサイズが足りない/別サイズが余る
  • 売り方が難しい:大玉・小玉で用途が変わり、説明が必要になる

サイズは「消費者の使いやすさ」にも直結します。流通側は、サイズを“用途の設計”としても見ています(例:サラダ向け、小分け向け、業務用向けなど)。

結局、流通が求めるのは「再現性」

日持ち・硬さ・サイズの共通点は、どれも再現性につながることです。流通は、味が良いだけでは回せません。毎週、毎日、同じ品質で回ることが価値になります。

流通目線での“品種の設計思想”

  • 日持ち:在庫の許容範囲を広げる
  • 硬さ:輸送事故とクレームを減らす
  • サイズ:作業効率と売価設計を安定させる

この3点が揃うほど、仕入れ先として選ばれやすくなります。

実務で役立つ:品種切替時に確認したいチェックリスト

品種を切り替えるとき、現場で事故を減らすために、最低限この項目を確認すると強いです。

  • 日持ち:想定流通日数(収穫→納品→売場)に耐えるか
  • 硬さ:箱内での当たり傷が増えないか(試験出荷で検証)
  • サイズ:規格箱・袋規格・売場什器に合うか
  • 温度帯:冷蔵・常温のどちらで運用するか
  • 歩留まり:選別ロス・加工ロスが増えないか
  • 説明:売場POPやECページで「用途」を言えるか

まとめ:品種は“物流の仕様書”でもある

品種が変わると、味の話だけでなく、流通全体の設計が変わります。日持ちが変われば発注と在庫が変わり、硬さが変われば梱包とクレームが変わり、サイズが変われば作業と売り方が変わります。

流通に強い品種とは、必ずしも“無難”という意味ではなく、再現性と運用性が高いということです。もし品種の採用や切替を検討しているなら、味に加えて「日持ち・硬さ・サイズ」の3点を、物流スペックとして見てみてください。判断が一段クリアになります。

2026.02.03 流通
ECで野菜を売ると物流が変わる:ラストワンマイルの落とし穴

野菜をECで売ると、売り方が変わるだけではありません。物流そのものが「別物」になります。特に変化が大きいのが、ラストワンマイル(最終配送)です。店舗納品や業務用卸では表に出にくかったリスクが、ECでは一気に顕在化します。

この記事では、野菜ECで起きがちなラストワンマイルの落とし穴を、実務目線で整理します。失敗しやすいポイントを先に押さえることで、クレーム・返品・赤字化を減らしやすくなります。

なぜECは物流が難しくなるのか

店舗納品(B2B)は「一定量をまとめて」「受け取り体制がある場所」に届けます。一方、EC(B2C)は「少量を」「住所が分散した個人宅」に届けます。これだけで難易度が跳ね上がります。

  • 小口化:1件あたりの単価が小さく、梱包・配送コスト比率が高い
  • 住所分散:積み込み・配達の効率が落ちやすい
  • 受け取り不確実:不在・置き配・宅配ボックスなど条件がバラバラ
  • 温度の影響:「配送の途中」と「玄関先」で品質が落ちやすい

ラストワンマイルの落とし穴①:不在が“品質事故”になる

野菜は温度と時間の影響を受けます。ECでは、配達できずに持ち戻り・再配達になるだけで、品質低下が起きやすくなります。つまり、再配達は「コスト増」だけでなく「事故率増」でもあります。

対策:受け取り前提を“設計”する

  • 日時指定を基本にする:指定なしを減らすだけで事故率が下がる
  • 発送前リマインド:発送通知+受け取り注意(夏場は特に)
  • 置き配の扱いを明確化:可否、品質保証範囲、クール便との整合

落とし穴②:玄関先の数十分が致命傷になる(夏・冬)

冷蔵庫に入る前、玄関先や宅配ボックスで放置される時間が、品質に直撃します。とくに夏は温度上昇、冬は凍結リスクがあり、どちらもクレームの温床になります。

対策:商品ページと同梱物で“行動”を促す

  • 商品ページ:「到着後はすぐ開封・冷蔵」など一文を固定
  • 同梱カード:保存方法、食べ頃、温度注意を短く明記
  • 季節で運用を変える:夏はクール便比率を上げ、冬は凍結しやすい品目を避ける

落とし穴③:梱包が“輸送品質”を決める

ECは荷姿が小さく、箱の中で野菜が動きやすいです。さらに、個人宅配送では荷扱いが多段階になり、振動・落下・荷重の影響を受けやすくなります。梱包は見た目以上に、品質の勝負どころです。

よくある失敗

  • 箱内に隙間があり、当たり傷が増える
  • 重い根菜が上から乗り、葉物や柔らかい野菜が潰れる
  • 結露で濡れ、カビ・異臭につながる

対策:箱内の「荷重設計」と「水分設計」

  • 重いものは下:じゃがいも、玉ねぎなどは下段へ
  • 潰れやすいものは保護:葉物、トマト等は緩衝と固定を厚めに
  • 隙間を減らす:動かない状態を作る(紙・緩衝材の使い方が重要)
  • 結露対策:温度差を前提に、吸湿材・通気・包材を調整

落とし穴④:クール便は万能ではない(コストとリスク)

「全部クール便にすれば安心」と思われがちですが、クール便はコストが上がるだけでなく、凍結・結露・温度ムラの課題もあります。また、配送会社の条件(サイズ、締切、地域)で制約が出ます。

対策:品目ごとに温度帯を分ける

  • 冷蔵向き:葉物、カット野菜に近い性質のもの、夏場の柔らかい品目
  • 常温向き:根菜、かぼちゃ等(季節・気温で変える)
  • 混載注意:同梱すると事故る組み合わせを避ける(温度・湿度・エチレン等)

落とし穴⑤:返品・再送のルールがないと赤字が増える

ECでは、品質クレームが発生したときの対応が、そのまま利益を削ります。ルールが曖昧だと、現場判断がブレて再送・返金が増え、赤字化しやすくなります。

対策:最初に決めるべき3点

  • 保証範囲:どの状態なら返金/再送か(写真必須など)
  • 連絡期限:到着後何時間・何日以内に連絡か
  • 例外条件:受け取り遅延(不在・放置)時の扱い

クレーム対応は“優しさ”だけで設計すると、長期的に続きません。お客様に誠実でありつつ、運用として回るルールが必要です。

現実解:野菜ECは「商品」より先に「運用」を作る

野菜ECの難しさは、味や見た目よりも、受け取り・梱包・温度・再配達にあります。つまり、売れる前に事故る。これがラストワンマイルの本質です。

最初に整えると強い“運用セット”

  • 日時指定・発送通知の設計
  • 品目別の温度帯ルール(常温/冷蔵)
  • 箱内の荷重設計(重い下・柔らかい上・固定)
  • 同梱カード(保存・食べ方・注意点)
  • 返品・再送の基準とフロー

まとめ:ラストワンマイルは“見えない工場”

ECのラストワンマイルは、実質的に「品質を左右する工程」です。受け取りの不確実性、温度変動、再配達、箱内ダメージ——これらを前提に設計しないと、クレームと赤字が増えます。

逆に言えば、運用を先に整えれば、野菜ECは安定しやすくなります。まずは、日時指定の徹底梱包の荷重設計の2点から取り組んでみてください。事故率が目に見えて変わります。

2026.01.30 地域
企業連携の新型:社会貢献ではなく“調達”として組み込む方法

農福連携や地域連携を企業が検討するとき、「社会貢献(寄付・単発支援)」の枠で止まってしまい、継続が難しくなるケースは少なくありません。続く仕組みにするには、応援の気持ちを否定せずに、発想をひとつ変えるのが有効です。それが、“社会貢献”ではなく“調達(購買)”として組み込むという考え方です。

調達として組み込むとは、企業の通常業務(購買・契約・検収・会計)に乗せ、品質・価格・納期(QCD)を前提に、毎月・毎期の運用として回すことです。この記事では、連携を「良い話」で終わらせず、継続する仕組みに変えるための設計ポイントを整理します。

なぜ「社会貢献」だけだと続きにくいのか

社会貢献型の連携は始めやすい一方で、継続性の面では弱くなりがちです。理由はシンプルで、「会社の基幹業務」に入りにくいからです。

  • 予算が年度・景気・方針に左右されやすい(単発で終わりやすい)
  • 成果が測りにくいため、稟議・承認が通りにくい
  • 担当者の熱量依存になり、異動・退職で止まる
  • 品質・運用の整備が後回しになりやすい

一方、調達として組み込めれば、購買フロー・検収・改善の枠組みに乗り、担当者が変わっても続きやすくなります。

「調達として組み込む」とは、どういう状態か

目指す状態は、「応援の購入」ではなく、業務として回る発注です。最低限、次が揃うと調達に乗ります。

  • 購買フローで発注できる(見積・契約・請求・支払条件が整っている)
  • 仕様が明確(何を納品し、何をもってOKかが言語化されている)
  • 納期・数量・欠品時の代替が合意されている
  • 検収と不良対応が決まっている(返金/再納品/再発防止の進め方)
  • 定期レビューで改善が回る(月次・四半期など)

最初に選ぶべきは「社内で確実に使うもの」

連携を続けるコツは、最初から難易度の高い販路(一般販売や大口外販)に行かないことです。まずは、企業側に“必ず需要がある”領域から入ると安定します。

導入しやすい調達メニュー例

  • 社内消費:社員向け野菜セット、社内イベント食材、会議用軽食、福利厚生の定期便
  • 贈答・ギフト:季節ギフト、取引先手土産、社内表彰の記念品
  • 業務用の周辺工程:袋詰め、ラベル貼り、セット組み、検品、梱包、資材の組立
  • 施設内販売:社内売店、食堂、カフェでの定期利用

「毎月発生する」「毎年必ずある」需要に乗ると、連携は一気に継続しやすくなります。

設計の核心:仕様(スペック)を言語化する

調達でトラブルが増える原因の多くは、善意ではなく期待値のズレです。最初に“仕様”を決めるだけで、クレームと手戻りは大幅に減ります。

項目決める内容(例)ポイント
品質規格、許容範囲、見本(写真)文章より写真で揃える
納期締切、リードタイム、遅延時連絡「いつまで」を数値で
数量最小ロット、上限、増減ルール欠品時の代替案まで
包装箱・資材、ラベル、温度帯破損・混載を想定する
価格単価、改定条件、見直し頻度条件が変わる前提で設計
検収検収方法、NG時対応“OKの定義”が必須

はじめ方は「小さく・短く・検証できる形」

いきなり年間契約にすると、ズレが出たときに双方が疲れます。おすすめは、3か月のパイロットで、仕様と運用を固める進め方です。

  • Step1:調達目的を1つに絞る(例:月1回の社内配布)
  • Step2:仕様を決める(写真基準・納期・数量・検収)
  • Step3:小ロットで運用(課題を洗い出す)
  • Step4:レビューして仕様更新(改善を固定化)
  • Step5:定期発注に移行(購買フローに完全搭載)

社内で通すコツ:稟議で刺さるのは“善意”より“合理”

調達として社内合意を取りやすくするには、提案の軸を「良いこと」だけに寄せないのがポイントです。稟議で説明しやすい軸は、次のようなものです。

  • 安定供給:必要な時に必要量が入る(代替案も含む)
  • 品質の再現性:規格・検収・是正が回る
  • 運用負荷:現場の作業が増えない(手配が簡単)
  • リスク管理:不良時の対応が決まっている
  • コスト:単価だけでなく手間・ロスまで含めた総コストで説明できる

社会的意義はプラス材料になりますが、最後は「業務として回るか」で決まります。そこを先に固めると通りやすくなります。

よくある失敗と回避策

  • 失敗:ストーリーだけで始め、仕様が曖昧
    回避:見本(写真)+検収条件を最初に決める
  • 失敗:最初から大口・高難易度メニューに挑む
    回避:社内利用で小さく検証し、段階的に拡大する
  • 失敗:欠品・変動の前提がなく揉める
    回避:代替案(別仕様/別品目/別納期)を合意しておく
  • 失敗:窓口が複数で話がねじれる
    回避:企業側・提供側とも窓口を1本化する

すぐ使えるチェックリスト(導入前に確認)

  • 発注フロー(見積→発注→納品→検収→請求→支払)が回るか
  • 仕様(品質・納期・数量・包装・検収)が言語化されているか
  • 欠品・遅延・不良時の対応(代替・連絡・責任分界)が決まっているか
  • 月次・四半期でレビューする場があるか(改善が回るか)
  • 現場負荷が増えない設計か(誰が、いつ、何をするかが明確か)

まとめ:続く連携は「購買の仕組み」に乗っている

企業連携を継続させる鍵は、社会貢献の枠に留めず、調達として業務に組み込むことです。小さく試し、仕様を言語化し、検収と改善で回す。これができると、担当者の熱量に依存せず、連携は“イベント”から“運用”に変わります。

まずは、社内で確実に使うメニューを1つ選び、3か月のパイロットで「仕様」と「運用」を固めてみてください。続く連携の形が見えてきます。